2019年04月23日
最近読んだ本に対する雑感
実はこの本、上下巻に分かれていると知らずに"遠雷"というタイトル本だと思いこみ、下巻のみ購入。
家に帰ってからそれに気づき、しばらくして上巻を買って読み始めたといういわくつきの本です。

作者は「恩田 陸」さんで、ピアノコンクールの出場者を描いた小説なんですが、コンクールの始まりから終わりまでで完結する小説となっています。
ピアノコンクールが舞台となっているんですが、"名前は違うが、これって浜松じゃない?"って感じで読んでいました。
読み終わって解説を読むと、この小説、連載小説で完成までに12年かかっているということで、"何度も浜松国際ピアノコンクールに取材に来ていた"とあり、やっぱりそうかという感じでした。
内容は、ピアノコンクールに出場した出演者と審査員の人間模様を描いたもので、一握りの選ばれし者達の心情が描かれたもの。
上下巻2冊の本でしたが、一気呵成に1日で読み終えてしまいました。
凡人と天才の違い、その天才にも色んなタイプがあるということ、自分には決して垣間見ることができない世界を見ることができました。
一例として、夏目漱石の小説「夢十夜」の"第六夜"に出てくる仁王像を彫る運慶の言葉「仁王像を彫っているのではなく、木の中に隠れている仁王像を彫りだしている」を引用して、「ピアノの中に溢れている音楽を取り出すことだ」と言っているくだりがある。
ピアノがただ上手に弾けるのと、人を引き付ける演奏ができるのとは別次元のこと、「このことはピアニストに限らずあらゆる芸術の世界でそうなんだろうなあ」とつくづく感心しました。
読んでいる間、別世界に遊んでいるようで、あっという間に読み終えてしまいました。
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