2019年03月08日
相続について知っておきたいこと(7)

今回は、公正証書遺言について、お話をしていきます。
公正証書遺言とは、遺言者が公証役場の公証人に依頼して"遺言書を作成、保管"してもらうものです。
手順としては、
① 遺言者が原則として公証役場に出向く。ただし、遺言者が病気などで
公証役場へ行くことができない場合、公証人が遺言者のところへ来て
くれる場合もあります。
② 公証人が印鑑証明書などにより遺言者が本人であると確認する。
③ 遺言者が公証人に遺言内容を口頭で伝える。ただし、口頭で伝える
代わりに遺言内容を記したメモを公証人に渡す方法、口がきけない場
合は、手話通訳による方法も可能です。
④ 公証人が遺言者が高騰により伝えた遺言内容を筆記する。
⑤ 公証人が遺言者と証人に筆記した内容を読み聞かせる。
➅ 遺言者と証人が筆記内容が遺言者が口頭で伝えた遺言内容を正確に
筆記していることを承認のうえ、各自署名捺印する。
⑦ 公証人が民法の方法により作成した証書である旨を付記し、署名捺
印、公正証書遺言が完成する。
という流れとなります。
公正証書遺言の特徴は、口頭で伝えた遺言内容を公証人が遺言書としての方式を整えて作成してくれるため、"民法の方式違反ということがなく、遺言の様式で相続人間の争いが起きにくい"ことが最大の特徴です。
また、公正証書遺言の原本は、公正役場で保管されるため、自筆証書遺言でいわれるような"紛失や改ざん"の心配もありません。
ただし、自筆証書遺言の場合と異なり、"公証人に支払う遺言作成料などの費用がかかること、証人2人の立ち会いが必要のため、証人2人を探す必要があること、遺言内容を証人が知ってしまうこと"などのデメリットもあります。
公正証書遺言は、遺言として自分の遺志を残す方法として一番確実な方法であり、おすすめの遺言方法です。
しかし、自筆証書遺言についても、"民法改正により法務局での保管制度が2020年7月よりスタート"することから、自筆証書遺言の作成のサポートを専門家に依頼するなどの方法で作成すれば、遺言として自分の遺志を残す良い方法になるのではと思います。
最後に自筆証書遺言のことをお話しましたが、法務局での保管制度はあくまで2020年7月のスタートです。現状で遺言を作成する場合は、あくまで公正証書遺言が確実であると思われます。
今回は、公正証書遺言についてお話してきました。次回は、皆さんになじみの少ない秘密証書遺言についてお話してみたいと思います。
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